悪戦苦闘の営業マン時代
私が何故このようなことを決意したのか、時代は20年前に遡ります。
当時、私はある大手建築メーカーの営業マンで、土地オーナーさんにアパート、マンション、店舗、事務所、ビルなどの土地活用の 営業コンサルティングをしていたのです。(コンサル営業というと格好は良いのですが、ただの営業マンです。)
いろいろな土地活用を提案していて思ったことは、土地オーナーさんの大きな心配事は、相続問題と空室問題だということでした。
相続対策としてアパート経営は確かに理論的で節税効果があったのは事実です。
しかし、空室の不安、リスクについては明確に保証できるものは何もなかったのです。
そこで私が考えたのは土地オーナーさんを説得する話術 (セールストークと言う)を生み出すことだったのです。どんなに自分自身が不安でも、建てさせるのが商売ですから、オーナーさんに建てて もらわなければなりません。オーナーさんと一緒に頭を悩ませているようでは商売にならないわけです。
私はそのセールストークを駆使して一躍トップセールスになりました。(19年間に245棟1,145戸100億以上の受注)
しかし、技術屋タイプで 生真面目な性格の私は、心にあることと相反する利害とで常に葛藤していたのです。
その心に引っかかるものとは何でしょうか?
それは空室です!
将来、空室になる不安があるものをオーナーさんに勧め、建設させていることに罪の意識を感じていたのです。建てることが絶対正しいとは 私の心の中では言い切れませんでした。
確かにトップセールスになることは、誇れることでもあり自分にとって大変嬉しいことです。当時は心に残るものが有ったとしても、仕事に熱中して、営業成績が良いことで打ち消されていたようでした。
もちろん、建築科出身の私としては普通の営業マンが無視するようなことでも、空室に対してできうる限りの最大の努力はオーナーの為に 実行しておりました。
その点については、他の建築素人の営業マンと比べて違ったように思いますし、お客様を思う気持ちは誰にも負けないという自負が有りました。
ただ、物理的な対策を設計段階、工事段階で実行したとしても空室の予測は拭いきれません。
月日が流れて、ある時期、営業活動に余裕ができ始めていた頃、私の建てたアパートにも空室がぽつぽつと目立つようになってきました。
私は自分の建てたアパートやオーナーさんに愛着がありましたので、一ヶ月に一度は空室になっているかどうかチェックしていたのです。
その頃から営業活動の最中ではありますが、私の空室対策実験が始まりました。
(実験? オーナーさんごめんなさい。)
空室になったオーナーさんを訪問すると、必ず、「今、何ヶ月空いている。何とかならないですか?」と悲痛な声で叫ばれます。
この頃の私は、そのアパートの管理をしている不動産会社に行き、「○○さんのアパート空いていますよね。早く詰めて頂けませんか。」と、依頼することが仕事でした。
不動産会社も私のお願いすることはよく理解し、協力して頂きました。
他力本願ではありますが、当時はこの方法しか見つからなかったのです。
不動産会社に催促しても、なかなか入居者が見つからないときが何度もありました。広告さえ出さない不動産会社のために、自腹を切って
募集広告を出したこともありましたし、自ら賃貸物件への入居者の案内も試みたのです。
夜も眠れない日々が続いたこともありました・・・(事実です。)
しかし、私はここで、不動産会社が「アパートの空室が埋まらない原因」をあまりよく分析していないことに気がついたのです。
不動産会社も何百戸とあるアパートの中の一つの物件について、いかほども情報をもっていないことに気付かされたのです。
それはそうでしょう。私の場合であれば、営業マンで外回りをし、常にそのアパートを見守り続け、しかも自分で企画して建てさせて頂いた可愛い アパートです。
それは不動産会社よりその建物のことを熟知しています。大家さん以上かもしれません。
ですから、じっくり分析すれば不動産会社以上にそのアパートの空室が埋まらない原因がわかるのです。そして、私が大家さんにアドバイスし、実践した結果、今まで何ヶ月も続いていたアパートの空室が、まるでうそのように数週間で埋まってゆくのです。
実験を繰り返すうちに、そのアパートの空室の原因分析、検証ができたお陰で即座に対策を打ち出すことができるようになったのです。
こうして営業活動をしながらも、オーナーの空室をお世話する間に、失敗と成功体験を通じて、着実に空室対策のノウハウを身につけたように思います。
また、【空室になる原因】や【対策】のキーワードに、ある一定の法則が見えてくるようになりました。そして空室対策もビジネスの マーケティングの応用で80%までは解決できることがわかったのです。
医者が患者を診断し、薬を投与したり手術をしたりして、病から救うように、アパートも空室を診断し、原因を探りそれに対して適切な処置を施し経営を起ち直せることができるのです。
私は本来の仕事である営業活動をしながら、このノウハウを体系化しまとめました。
オーナーに背を向けず、オーナーの相談に乗ってあげたことがこのノウハウを作るきっかけとなりました。
オーナーの悩みを聞かず、単に建てるだけで無責任に逃げていれば、このような発見はできなかったことでしょう。
オーナーさんには感謝したいと思っております。
大家さんが知っておくべき空室対策3大原則
空室対策の秘訣は大きく分けて3つのポイントがあります。
- 空室になる原因を探り、適切な処置を施す。
- 入居者を連れてくる不動産業者の仕組みを理解し、そこに従事している人間の考えていることを知る。
- 入居者の考えていること、欲していることを知り、常に入居者の視点でマーケティングを行う。
単純なことですが、これを理解しようとしない大家さんがほとんどです。
他のたくさんの大家さん(他の空室のアパート・マンション)と競争していかなければならないわけですから、もし、このサイトで身につけた
ノウハウがあれば、勝ち組大家さんになれることでしょう。
逆に、今、あなたが行動しなければ、いつまでたっても空室の不安、恐怖からは逃れられなくなるでしょう。また予備知識、情報がないことが 何年か後に大きな損失となってくると思います。
これからアパート・マンション経営を考えている方にも10年、20年経営を続けていく中で、満室の状態がずっと続くことは まずないと断言しておきます。空室があることが大前提と考え、入居率を上げることのみ専念するべきです。
あなたがこのサイトで学習し、こ れから空室を埋める努力をすれば、何年にもわたって続いてゆくアパート経営の利益の差はとても大きいでしょう。
アパート1戸ならそれほどの利益とはならないでしょうが、5戸、10戸、20戸となったらどうでしょうか?アパートの戸数が多ければ多いほど経営は
儲かりますが、空室の負担もそれにつれて大きくなってきます。
不動産会社が本当のことを言わない理由
『それじゃあ そんなノウハウ、不動産屋に教えてもらったらいいじゃあないか?』
『不動産屋が入居者を連れてくるのだから、一番良く知っているだろう。』
そうです。不動産会社が入居者を連れてきます。確かに・・。
でも、その不動産会社に任せているあなたのアパートは現在、空室に喘いでいませんか?
あなたが任せている不動産会社に教えを乞いに行ったら、 不動産会社も大家さんには弱い立場ですから、一つや二つのアドバイスはしてくれるでしょう。(たぶん家賃を下げることぐらい・・・)しかし、 それ以上のことは言いません。
不動産会社も賃貸住宅の入居のプロですから入居者の傾向 、対策はある程度は知っているはずです。でもはっきりとは言わない。
たとえばお風呂が古いとか流しが汚いとかわかっていても遠慮して言わない 。
アパートは大家さんの分身です。
そのアパートの欠点を指摘する事は大家さん個人をけなすことになるのです。
不動産会社の人たちの気持ちが少しずつ理解できてきましたか?
また不動産会社自身はお金儲けの為にやっていることですから、あなたの古くて入居者が決まらない物件よりは、もっと新しくて決まりやすい物件を 入居者に紹介することでしょう。
あなたの古いアパートはダミーにされるのです。
あなたのアパートの空室が続いたとしても彼らの懐は痛みません。
ある不動産会社の社長が言っていたことを思い出します。
「家主の物件が空いていようが、俺達の懐は全然痛まないからな。でも大事な物件を捨てるわけにはいかない。手数料を生み出す仕入れ品だからな。
俺達にとって仕入れは、あればあるほどいいからな。」
要は不動産会社という立場は、大家さんにとって利害のある立場になることもあるのです。利害相反する大家さんにそんなに良い情報を与えてくれる
でしょうか?
また不動産会社が集客する為の方法を仮にわかっていたとしても、何百何千とある部屋の中のたった一つのあなたの部屋の空室原因を、いちいち親切
に丁寧に教えてくれることは現実的に不可能です。不動産会社はいつも忙しいのです。
ですから、ある部分は不動産会社の側より、大家さん側の自助努力がなければ空室問題は解決できない
ことなのです。
このサイトはよくあるアパート・マンション建設のための空室対策ではありません。
将来経営するために新築するのだったらああしなさい、こうしな さいという予防的なノウハウを書いているわけでもありません。
既にアパート・マンションを所有されて、現実に空室で困っている不動産経営者に向けてアウトプットしたものです。
ですから新しくアパート・マン ションを建てるのでしたら、どうぞ、そのような類のノウハウ書やメーカーのカタログを調達してください。いくらでもありますし、無料で分けてく れるでしょう。
しかし、その建てたアパートが10年先20年先には誰も相手にしてくれなくなる可能性は否定できません。
20年以上経った古いアパートをたくさん見続けてきた私だから言えることがたくさんあります。
アパート・マンション経営 空室対策研究会
空室対策アドバイザー
アパート経営専門の空室対策コンサルタント
竹末治生
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