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HOME >> メールマガジン バックナンバー >> 【アパート経営で成功する人・失敗する人】 〜第97号

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   これを知らずにアパート経営をしてはいけません。
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 ■          アパート経営で成功する人・失敗する人 
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 ■            http://www.kuusitsu110.com
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                                                2007.1.11 vol.0097

 
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           賃貸条件の見直しを図る
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           〜空室のコンサル事例〜


 昨年、あるマンション経営者の方からコンサルの依頼がありました。

 そのマンションは1K6戸。鉄筋コンクリート造4階。築22年。
 立地もよく目の前にモノレールの駅があり、大変便利なところです。
 しかし、6戸のうち4戸が半年以上の空室になっています。

 私はとりあえず、そのオーナーとお会いし物件を見せていただきました。
 築22年ですが、外観は最近吹き付けをしたのか古臭さは感じられません。
 エントランスから階段を上がって、廊下などの共用部分を見てまわりましたが
 掃除も行き届いており、管理状態も良く、20年も過ぎた建物とはとても
 思えません。
 オーナーもこの建物に大変愛着を持っている様子で、思わず感心しました。

 オーナーから案内され、部屋の中も見せていただきました。
 室内も作りは古いですがとてもきれいに管理されています。
 室内を一通り見て、いろいろな問題点を発見しました。

 まず、22年間ただの一度も設備の更新をしていなかったようです。
 浴室はトイレ、風呂、洗面一体型のユニットバスで、浴槽はバランス釜です。
 給湯設備は無く、流し前に瞬間湯沸かし器が設置されています。
 また、玄関には下足箱が無く居室は6帖の和室で、洗濯機置き場は
 バルコニーに置くスタイル。20年前の典型的なアパート仕様で
 古い生活スタイルそのままで経営されてきたようです。きっと立地がよいため
 今まで入居には苦労されたことが無かったのでしょう。

 しかし、時代の流れも変わり4〜5年前から入居が悪くなり、
 現在の状況に至っていました。オーナーさんは最近の賃貸市況が悪くなって
 いるのは理解しているようですが、多少、時代錯誤的なところもあるようです。

 たとえば、
 「自転車置き場はどこにありますか?」とお聞きしたところ
 建物の前の道路を指差し「ここです。」といわれるのです。

 私は「え?どこですか?」と再度尋ねるとまた、道路を指差して
 平然と「道路に置けば良いのではないですか?」といわれます。

 「はぁ〜?道路が自転車置き場ですか?チョッと問題がありますね。」
 と答えざるを得ません。
 80歳の年輩の方なので、多少は時代感覚のずれがあるようです。

 一通り物件を見せて頂きオーナーからの話をお聞きしました。
 そしてオーナーからの言い分は

 「基本的に建物にこれ以上お金をかけるつもりは無い」
 「家賃も下げるつもりは無い」
 「不動産会社は現在4社程度に依頼している。」
 「以上の条件だが、何とか空室を埋める良い手はないものだろうか?」

 私にとって、大変厳しい条件を突きつけられました。
 とりあえず、写真を取り再度お会いしましょうということでお別れしました。

 その後、家賃相場や周辺環境などを調査し、不動産会社にも問い合わせ
 解決方法を模索し、回答をオーナーに持ち込みました。
 私からの報告書は以下のとおりです。

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 ○○マンション空室対策調査報告書

 ■○○マンションの今後の問題点について

 1. バスユニットがバストイレ一体型である。
 2. 下駄箱が設置していない。
 3. 給湯設備がない。
 4. 部屋が和室(畳)である。
 5. 洗濯機をバルコニーに設置しなければならない。
 6. 玄関から内部が丸見えである。
 7. セキュリティー機能の充実
 8. 自転車置き場が確保されていない

  〜コメント〜
 厳しい助言ですが、以上の点を改良しなければ、さらに空室期間が長くなる
 恐れがあります。新築物件の供給過多。少子化、人口減少。モノ余り時代に
 育った新世代の台頭などの理由により、賃貸住宅の空室が増えることが予想され
 今後の広島の賃貸市況が改善される見込みはありません。現在の状況を維持する
 ならば、家賃の値下げを検討しなければならない時期が来ると思われます。
 不動産会社からの聞き取り調査では、現状のこの仕様と設備で
 35000円〜37000円程度の家賃査定です。
 家賃を維持するために問題点の部分を改良するか。現状のままで家賃を下げるか。
 二者択一を迫られる時期になっています。判断に苦しむかもしれませんが、
 ○○様の考え方次第です。

 ソフト、ハード対策としてこういう提案があります。

 1・入居者へのハードルを低くするために、敷金、礼金を0にする。
 2・フリーレントの採用(家賃を1ヶ月或いは2ヶ月無料)
 3・マンスリーマンションとして企業に借り上げてもらう。
 4・他との差別化のために個性的な空間作りを目指した賃貸住宅にする。

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 結果、1の敷金、礼金を0にする案を採用したいということで
 早速、不動産会社に連絡を取っていただきました。

 その後、一ヶ月ほどしてメールを頂きました。

    ▼▼  ▼▼

 ○メール有り難う御座いました。今年の前半は何にも無くて、業界から
 閉め出された様で「絶望感」に浸っておりました。家賃・敷金を
 いじったせいか、最近は業界からのアプローチもぼちぼちがあり、
 「絶望感」から脱した様な気分になっております。そのうちに築20年
 の設備でも、入居して頂ける方に巡り会えるものと思い、気長に構えて
 行こうと思っております。

 ○暫く御無沙汰しております。本日 9月10日 初めて一部屋埋まりま
 した。家賃 39000円 敷金 1ヶ月です。これまでに下見は
 2〜3件ありましたが、成約はありませんでした。取りあえずご報告まで。

    ▼▼  ▼▼

 今現在は空室4戸が満室になっています。
 さすがに30日以内で空室が埋まるというわけにはいきませんでしたね。

 しかしこの結果から言えることは
 「今までの賃貸物件の条件をもう一度見直してみる」ということです。

 既成概念で敷金3ヶ月を入居者から取ることばかり考えていても
 時代は20年前と状況が変わっています。
 平成16年の東京ルールで、「敷金は借主に返金すべきもの」という風潮が
 地方にも波及しつつある時代です。
 敷金を担保にして原状回復の足しにするという家主側の考えも
 改めなければならなくなりました。条件の一部を緩和し、入居者に対して
 ハードルを低くすれば今まで遠ざかっていた入居者を呼び戻すことができます。

 単身者用マンションを希望している入居者は20代30代の若い世代です。
 大家側から見れば、部屋を貸してあげるのだから3ヶ月程度のお金を用意する
 のは当たり前だ。その程度のお金をもっていない入居者には貸さないという
 考えも有ります。

 しかし、時代は変わったのです。豊かな時代に生まれ育った
 若い人は我々大家の世代とは明らかに違います。言い方は悪いのですが
 若い世代は浪費する性向があるのは確かです。
 ですから、手持ちのお金(貯金)が無い人もいるでしょう。
 それだけ社会が多様化し、いろいろなタイプの人達がいるのです。
 そういった条件に外れた人達も入居者のターゲットとして
 組み込むことを考えなければならなくなった、ということです。

 ちゃんとした会社に勤めて月々のサラリーをもらい
 そのサラリーから家賃をしっかり払っていただけたらそれで良しとしましょう。
 半年も一年も空室になることを考えれば敷金など当てにしなくても良いでは
 ないですか。

 空室になる損失のほうがはるかに大きいと思います。
 半年一年空室になれば何十万何百万の損失でしょう。

 敷金を0にしたとしても、最近では滞納保証とか原状回復保証など
 の保証制度を扱っている保証会社もあり、こういった新しいシステム
 も大いに利用することです。

 あなたのアパートも、このように既成概念に囚われずにチョッとした
 条件の見直しをすれば意外と簡単に空室が埋まるものです。
 しかも一銭のお金も使わずに・・。

 空室対策は不動産会社の言う家賃を下げることばかりではありません。
 不動産会社は大家さんのためにわざわざアドバイスはしてはくれないのです。
 それゆえに大家さんが工夫、研究すれば、必ず効果のある方法が見つかります。





   これから、このメルマガはまだまだアパート経営の秘密を
   解き明かします。               
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   ★アパ、マン経営の秘密とはこれまでの賃貸住宅経営を
     否定することから始まります。


 
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